水理モデル+統計 · 水道事業

夜間流量で漏水を探す

公開ベンチマークBattLeDIMのネットワークで漏水を検知し、漏水している可能性が高い管路を順位付けします。任意の管路をクリックすれば、自分で漏水を起こせます。

ライブで試す

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概要

L-Townは公開ベンチマークBattLeDIMのネットワークです。43 kmの管路、33か所の模擬圧力センサー、三つの流量計、82台のスマートメーターを備えた、シミュレーション上の町です。その2019年のデータには、同年に始まる19件の漏水が隠れています。私たちはこのネットワーク向けに、水道技術者がすでに使っている道具で漏水探索の仕組みを構築しました。水理モデル、夜間最小流量を用いた水収支、そして圧力残差です。モデルは2018年のデータで校正し、検知のしきい値は2018年のデータのみを用いた自動探索で設定しました。

漏水の検知と位置の特定では、使う時間帯が異なります。緩やかな漏水の検知は、01:00から05:00の水収支を読みます。この時間帯は使用量が最も少ないので、流入量に占める漏水の割合が大きくなります。これとは別に、破裂(バースト)の検知は毎時監視します。位置の特定には一日を通した圧力を使います。このモデルの3月のある日では、19:00に漏水が圧力に残す影響は、04:00の約1.7倍です。警報のたびに、センサーでの圧力変化を、すべての節点に置いた模擬漏水と比較します(各管路には両端の節点の平均を割り当てます)。その後、候補管路の集合は時間を追うごとに絞り込まれていきます。

2019年のデータでは、同年に始まった19件の漏水のうち14件を検知しました。誤報は7件で、さらに13件の報告はすでに把握済みの漏水に対するものでした。うち7件は手法自身が報告済みの漏水、6件は2018年から続いている漏水です。BattLeDIMの採点ルールでは、14件の検知の価値は作業班の費用を差し引いて€289,028です。これに対し、19件すべての漏水で失われる水の価値は€355,472です。33か所の圧力センサーのうち10か所だけを使った場合(流量計はそのまま)、19件中10件を検知しました。また、L-Townは実際の町よりノイズの少ない環境です。推定した家庭の使用量に日ごとに2%の誤差を加えると、同じ手法は二回の試験実行で19件中8〜12件を検知しました。埋め込みビューでは水理ソルバーがブラウザ上で動作します。任意の管路をクリックして漏水を起こしてみてください。

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検証方法

  • モデルは2018年のデータで校正しました。検知のしきい値は、2018年のデータのみを用いた自動探索で設定しました。
  • 2019年の正解データは2020年から公開されており、手法を構築している間も私たちが参照できる状態にありました。したがって、これは解答が公開済みのベンチマークで得た結果であり、ブラインドテストではありません。
  • 2018年に同等の成績だった他のしきい値設定では、19件中9〜16件を検知します(中央値13件)。
  • このほか、四つの漏水が2018年から続いていました。公開されている2018年の漏水ファイルに記載があるため、集計には含めていません。
  • スコアはBattLeDIMの採点ルールに従い、主催者の採点処理を私たちがPythonに移植したもので算出しました。移植版は、主催者が公開した報告例のスコアをセント単位まで再現します。
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開発内容

  • L-Townの水理モデル(WNTR + EPANET)。2018年の漏水のない時間帯のデータで校正しました。校正に使っていない時間帯での圧力誤差はRMSEで3.7 cm、校正前は7.8 cmです。
  • 二つの給水区域の水収支。需要は82台のスマートメーターから推定しており、メーターはすべて片方の区域にあります。この水収支に対して、夜間最小流量の変化検定(CUSUM)と破裂の検知を行います。
  • 圧力シグネチャによる漏水位置の特定。すべての節点に模擬漏水を置き、測定された圧力残差の変化と比較します。結果は順位付けされた候補管路の集合で、毎時更新されます。
  • コンペティション公式の採点ルールによる評価。対照として、センサー10か所での試験と、ランダムに選んだ五通りのセンサー構成を用いています。
  • 校正済みモデルをブラウザ上で解くEPANETソルバー(WebAssembly)。管路をクリックし、漏水の規模とデータの時間数を設定すると、候補集合ができあがっていく様子を見られます。
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技術スタック

Python、WNTR、EPANET 2.2、NumPy、SciPy、pandas · epanet-js(WebAssemblyにコンパイルしたEPANET)、three.js

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数値

すべての数値は、公開ベンチマークBattLeDIMのネットワークであるL-Town(シミュレーション上の町)での、私たち自身の実行結果です。「BattLeDIMルール」とは、主催者が公開した採点方法を私たちが実行したものを指します。管路沿いに300 m以内かつ漏水の発生期間内であれば検知とみなします。水の価値は€0.80/m³、誤報は一件につき€500です。検知には距離に比例した作業班の時間費用が最大€500まで課され、再訪問には費用はかかりません。

数値測定方法
2019年に始まった漏水のうち19件中14件を検知

2018年から続いていた漏水は数えていません。

€355,472のうち€289,028

BattLeDIMルールでの、14件の検知により節約された水の価値から作業班の費用を差し引いた額です。€355,472は、19件すべてを発生時点で報告した場合の価値です。

誤報7件、加えて既知の漏水への報告13件

報告は合計34件です。誤報は一件につき€500の費用がかかります。13件の報告はすでに把握済みの漏水に対するもので(7件は手法が報告済みの漏水、6件は2018年から続いていた漏水)、BattLeDIMのスコアではこれらに費用は課されません。

破裂から警報まで約3 h(1.6〜24 h)

検知した7件の突発的な漏水について、警報の根拠となった時間帯のデータが終わる時刻を基準に計った時間です。位置は警報の24 h後に報告します。この遅延は2018年のデータで決めました。

緩やかな漏水では発生から5〜53日後に警報(報告は6〜54日後)

検知した7件の、徐々に拡大する漏水です。流量ほぼゼロから始まり、数週間かけて大きくなります。

報告した管路から漏水管路までの距離、中央値171 m(50〜294 m)

検知した14件について、スコアと同じ方法、つまり管路沿いに中心から中心までで測定しました。

破裂の場合、報告時の候補集合は17〜77本の管路

適合度が最良値から一定の幅に収まる管路です。残差ノイズ(実測圧力からモデル圧力を引いた値)は2018年のデータで測定しました。緩やかな漏水では、候補集合が区域全体のままになることもよくあります。

校正済みモデルの圧力誤差3.7 cm

校正に使っていない2018年の漏水のない61時間分について、33か所のセンサーで求めたRMSEです。校正前は7.8 cmでした。

センサー10か所で19件中10件、€181,058、誤報15件

33か所の圧力センサーから、一定の間隔ルールで10か所を選びました。流量計とスマートメーターはそのままです。ランダムに選んだ10か所の組み合わせ五通りでは、4〜12件を検知しました。

需要誤差2%で19件中8〜12件

推定した家庭の使用量に日ごとに2%の誤差を加え、他の設定はすべてそのままで行った二回の試験実行です。

他のしきい値で19件中9〜16件

2018年に最良スコアの5%以内だった37通りのしきい値設定を、それぞれ2019年のデータで実行しました(中央値13件)。

ブラウザ上で漏水シナリオあたり0.5 ms

埋め込みビューにある節点数782のモデルを、EPANETで定常計算した時間の中央値です(M1 ProのノートPC、Chromium)。スマートフォンではもっと遅くなります。

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静止画

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ライブで試す

ブラウザ上で動くインタラクティブビューです。開くまでは何も読み込みません。

ライブで試す ダウンロード 2.2 MB

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